決定権の配分:企業の資金調達への応用例
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本稿の目的は,資金制約下の企業の資金調達を例として,グロスマン,ハート,ムーアを嚆矢とする所有権アプローチの考え方を習得することである.非効率的な結果を事後的再交渉を通じて改善するために金銭の譲渡が必要とされることがしばしばある.しかし,余剰の一部が非金銭的便益である場合には,金銭による事後的所得移転は困難である.このような資金制約が存在するとき,グロスマン,ハート,ムーアは,当事者間で資産の所有権を予め割り当てて有事の際の決定権を配分しておくことで,不測の事態の生起に際しても非効率的な結果を改善しうると考えた.本文では,条件付き期待値などの数学記号が数カ所使用されているが,記号の読み方を知らなくても内容の理解に支障はなく,四則演算以外の計算はなされていない.Appendixでは,コースの定理と取引費用、企業金融における基本定理であるモジリアーニ・ミラーの定理を概説する.
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【書誌情報】
ページ数:14ページ
サイズ:A4
言語:日本語
商品番号:KBSP-03169
書誌コード:50141
登録日:2024/11/6